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先日友人に 『リサとガスパール』 のお菓子 (上の写真) をもらいました。『リサとガスパール』、知ってはいたのですが、きちんと見たのは初めてでした。手にとって見て最初に思ったのが、「グリニャールと一緒だ!」 ということ。つまり、"Gaspard" で "ガスパール"、"Grignard" で "グリニャール"。調べてみたところ、やっぱり両方ともフランス生まれでした。
私の家にあった フランス語の入門書 によると、フランス語では 語末の子音字は基本的に発音しない (ただし、語末が c、f、l、r の場合には発音することもある)。例えば、"escargot" で "エスカルゴ"。だから、"Gaspard" で "ガスパール" なのですね。また、フランス語では gn は 「ニュ」 の発音 です。例えば、"champagne" で "シャンパーニュ" (フランス語では末尾の e は発音しない)。これで "Grignard" で "グリニャール" と読むことが理解できますね。
有機化学の講義では 「"Grignard" は "グリグナード" ではなく "グリニャール" と読む」 と教えることはあっても、その背景について語ることは少ないと思います。そこで、「なぜ "Grignard" で "グリニャール" と読むのだろうね?」 と謎かけした上で、『リサとガスパール』 の "Gaspard" と似ている点、両者がフランス生まれである点、フランス語の発音の特徴について語って謎解きすれば、"グリニャール" が学生の頭に残りやすくなるのではないでしょうか。講義を受けた学生が 『リサとガスパール』 を 『リサとグリニャール』 と間違えるようになれば、講義は大成功です。