ChemPort、更新しました。


ChemPort、更新しました。主な変更点は以下の 3 つ。

(1) ブログの追加
 これまでは 「気ままに有機化学」「有機化学美術館・分館」「化学者のつぶやき」「ケムステニュース」「TotallySynthetic」 の 5 つのブログでしたが、今回新しく 「科学が変わる、化学が変える」「ほろ酔い化学者のブログ」「若き有機合成化学者の奮闘記」「ユーキの有機ラボ」 を加えました。これら 9 つのブログから、有機化学の記事だけを抽出して新着順に表示しています。

(2) アイコンの追加
 表示されるタイトルからはどのブログの記事なのかはわからなかったので、記事タイトルの左にブログのアイコンを追加しました。これによりパッと見ただけでどのブログの記事なのかわかるようになりました。

(3) 表示件数を倍増
 これまでは新着記事を 15 件だけ表示していたのですが、ブログを追加したこともあって 30 件に倍増させました。これでおよそ一カ月分程度表示されるかと思います。

新しくなった ChemPort を是非一度ご覧ください。また、「このブログも追加して欲しい」「以前より良くなった」「以前の方が良かった」「こんな不具合があるんだけど・・・」 などご意見をコメントいただけると幸いです。最後に、今日は平日の昼間に更新してますが仕事をサボってブログをやっているわけではなく有給休暇ですので。笑

気ままに有機化学 2010年03月26日 | Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース

最近の化学ニュース

ニュースに化学が登場するとき、それは多くの場合 「化学兵器」「化学テロ」「化学物質過敏症」「化学工場の事故」「薬害」 などネガティブなお知らせであることが多いかと思います。しかしここ数日は明るい化学ニュースがいくつか報じられましたので、簡単に紹介したいと思います。

ヨウ素から不斉合成触媒を開発=次世代抗生物質の生成に期待−名古屋大
  時事通信 - 2月18日
 右手と左手のように鏡面対称の構造を持つ二つの分子のうち、一方だけを合成する「不斉(ふせい)合成」を、名古屋大の石原一彰教授らの研究グループがヨウ素を用いた触媒で成功させた。合成された物質からは、次世代の抗生物質などを生成できる可能性があるという。研究成果は17日までに、独化学誌アンゲバンテ・ケミー電子版に掲載された。(後略)
Angewandte の Hot Paper に掲載されている この論文。2008 年の北泰行教授らの先駆的な 論文 を上回る温度条件・触媒回転・不斉収率のようです。論文はまだ読めませんが、名古屋大学の pdf で簡単な内容がうかがえます。しかしコテコテの有機化学の論文がニュースになるなんて珍しいですね。

タミフル量産、東大と中国企業が共同研究
  読売新聞 - 2月21日
 東京大学と中国の化学企業が、インフルエンザ治療薬タミフルを安く大量に生産する技術の確立を目指し、共同研究を始めた。
 タミフルは、香辛料の八角に含まれるシキミ酸を原料に作られているが、大量製造には限界がある。東大の柴崎正勝教授らは昨年2月、石油を原料にした新合成法を発表。技術に注目した中国の北京オデッセイ化学が、技術提供を求めた。(中略)
世界中の研究室が合成を競ったタミフルの合成。ついに柴崎正勝教授の合成法が工業化でしょうか (2008 年時点での柴崎教授らによるタミフル合成の総説は こちら)。しかし個人的に気になったのは次の一文。こんなこともできちゃうんですね・・・。
 タミフルの特許は、スイスのロシュ社が所有しており、中国でも成立している。だが、中国政府は昨年、改正特許法を施行。国民の健康を守る必要がある場合、特許を停止し、医薬品を製造できる「強制実施権」を盛り込んだ。(後略)

112番元素は「コペルニシウム」と命名 国際機関発表
  朝日新聞 - 2月20日
 現在、存在が公式に認められている元素の中で最も重い112番元素が「コペルニシウム」と命名された。地動説の提唱で知られるポーランドの天文学者コペルニクスにちなむ名前で、国際純正および応用化学連合(IUPAC)が、コペルニクスの誕生日「1473年2月19日」に合わせ、19日に発表した。(中略)
コペルニクスの誕生日に合わせて発表だなんて粋な計らいですね。しかし何故コペルニクスにちなんだ名前なのでしょうか?下のように書かれていますが本当に関係あるのでしょうか・・・。
 コペルニクスの業績は元素とは関係ないようにみえるが、IUPACは発表で「コペルニクスが提案した惑星系の考え方(地動説)は、原子核の周りを電子が回るという原子の模型にも応用された」としている。なお112番元素の記号は「Cn」となる。(後略)

[関連] キラル超原子価ヨウ素試薬を用いる不斉酸化 (化学者のつぶやき)
[関連] 最短最高収率のタミフル合成 (気ままに有機化学)

気ままに有機化学 2010年02月23日 | Comment(4) | TrackBack(0) | ニュース

デザイン更新と新ブログ開始。

遅ればせながら、新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。年末年始の間に 「気ままに有機化学」 と 「ChemPort」 のデザインを更新し、「気ままに創薬化学」 という新しいブログを立ち上げたので紹介します。


まずヘッダー部 (ブログ最上部) をシンプルな小さいテキストのものにしました。これにより記事部分が見やすくスクロールの必要性が最小限に抑えられ、また画像を使わないため読み込み時間も早くなりました。

それから記事部分の幅を広げ、フォントサイズを大きくし、フォントの種類を Windows には メイリオ を Mac には ヒラギノ を表示する設定にしました。これによって綺麗で読みやすくなったのではないかと思います。(ただし、Windows で XP 以前の OS の方や一部の設定の方にはあまり変化がないかもしれませんが、ご了承ください。)


昨年末から 「有機化学ブログの最新記事」 部分の表示が非常に遅くなったり表示されなかったりするトラブルが起きていました。そこで別の方法に変更し、安定して高速表示できるようになりました。また、下部に 「ブログ別最新記事」 を追加しました。


2009 年 11 月からこっそり始めた新しいブログです。私の本業 (薬の候補化合物の分子デザインと合成) に関する論文や便利情報を紹介しています。私はまだまだ新米の創薬化学者なので有益な情報を発信できるかわかりませんが、温かく見守っていただけると幸いです。

以上、年末年始は記事をあまり投稿できませんでしたが、密かに活動は続けています。どうぞ今年もよろしくお願い申し上げます。

気ままに有機化学 2010年01月11日 | Comment(2) | TrackBack(0) | ニュース

アジ化ナトリウム混入事件

091031.bmp

New York TimesBoston Herald 12 によると、ハーバード大学でコーヒーにアジ化ナトリウムが混入する事件がありました。6 人がめまいや耳鳴りを訴え、1 人が意識不明に。医療センターで治療を受け、全員無事退院したようです。

日本でも同様の事件が 10 年ほど前に起こっています。1998 年の夏から秋にかけて、新潟の木材加工会社・三重大学・愛知の国立研究所・京都の病院でポットの湯などにアジ化ナトリウムが混入される事件が相次いだのです。この連続事件を受けて、1999 年にアジ化ナトリウムは毒物に指定されてしまいます。有機化学では上図のような様々な反応に用いられ、また生化学分野でも防腐剤として日常的に使用されるものです。毒物指定を受けると施錠された棚に厳重に保管しなければならないため、「面倒なことになった」 というぼやきを複数人から耳にしたことがあります。

毒物指定によって、誤使用や一般人の悪意ある使用はある程度防止できたと思います。しかし、大学や研究所の内部の人間には必ずしも有効だとは限りません。実際に、毒物指定された後でも、2008 年に岡山大学薬学部でアジ化ナトリウムのコーヒー混入事件が起きました (同大ではアジ化ナトリウムを施錠保管、使用記録を行っていた)。1999 年には外部からの人の侵入が難しい理化学研究所で、お茶を飲んだ職員の気分が悪くなりアジ化ナトリウムがポットから検出される事件がありました。(いずれの事件も被害者は数日後に回復しています)

施錠保管と使用記録、倫理教育と安全教育、また人間関係を円滑にする制度や雰囲気作りで防止に努める、現状はこういったところでしょうか? ハーバード大学では今回の事件を受けて 「再発防止のためにビル全体への防犯カメラの導入を検討している。また、研究所の出入りの管理体制も強化したい」 と発表しています。こうした事件が相次いだ場合、ラボに監視カメラが設置される日がくるのかもしれません。

最後に、有機化学系の研究室では混入事件でなくても様々な化合物を皮膚から吸収したり鼻や口から吸入したりする恐れがあります。特に日常的に使用しているものについては、その危険性について鈍感になっていく傾向があるのでご注意ください。

[備考] アジ化物には爆発性のあるものが多く、最近起こった有機化学系の事故 3 件 で紹介したようにアジ化ナトリウムが残留溶媒のジクロロメタンと反応して生じたジアジドメタンが爆発を起こすこともあります。ご留意ください。
[関連] アジ化ナトリウム (Wikipedia)
[関連] アジドの話 (1)(2) (有機化学美術館)

気ままに有機化学 2009年10月31日 | Comment(4) | TrackBack(0) | ニュース

ChemPort、グーグル検索窓をマルチ検索窓に

091016.jpg
有機化学者のためのポータルサイト ChemPort の検索窓をグーグルのみからマルチ検索窓に変更しました。これによって、Google や Yahoo のウェブ・画像・地図・ニュース・辞書・ヤフオク検索、および Amazon 検索を 1 つの検索窓で行えるようになりました。検索窓にキーワードを入れたまま検索先を変えることもできます。スタートページとしてより使いやすくなった ChemPort を今後もよろしくお願いします。

気ままに有機化学 2009年10月17日 | Comment(2) | TrackBack(0) | ニュース