アルコールのアシル化は、アルコールの保護として、またエステル化、マクロラクトン化として使われる汎用性の高い基本反応の1つです。そのため古くからよく研究されており種々の方法がありますが、中でも DMAP (ジメチルアミノピリジン)触媒による酸無水物を用いた方法は基質一般性が高く最も利用されています。
そんなよく知られたアルコールのアシル化ですが、2007 年の JACS に2報関連論文が発表されたので紹介しようと思います。2報共に日本人著者によるもので、かつ両方とも Article です。Article は読むのはしんどいけど色々書いてあって面白く、勉強になります。
ちなみに1報は京都大学の川端先生による、単糖類の選択的保護に関するもの。もう1報は名古屋大学の石原先生による無塩基・無溶媒下でのアシル化反応です。
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