ドナルドダックボイス現象とその逆

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有機化学とはあまり関係ありませんが、ヘリウムを吸うと声が高くなる現象をドナルドダックボイス現象といいます。原理的には空気より比重が軽いため、ヘリウム中では空気中より音が早く伝わり、それに比例して周波数も高くなるため声が高くなるのです。

ちなみに空気中の音速は 331.45 m/s。ヘリウム中では 970 m/s なので計算上、音程は 970 ÷ 331 ≒ 2.93 倍になります。つまり、ヘリウム中では空気中に比べて、1.5 オクターブ上がることになります。(1 オクターブは周波数 2 倍です)

さて、逆に声を低くするためには空気より重たい気体を吸えばいいわけですが、あなたならどの気体を選びますか?

気体を吸うということは体の中に入るということなので、当然安全性が問題になってきます。この点で言えば化学的に安定な希ガスがいいと思われます(ヘリウムも希ガスですよね)。空気より比重が著しく重い希ガスは、クリプトン、キセノン、ラドンですが、キセノンは大量に吸うと麻酔作用があり、ラドンはどの同位体にも少しは放射性があるのであまりオススメできません。おそらくクリプトンが一番適しています。

実際、米村でんじろう先生がクリプトンで声を低くする実験をしていました。ちなみにヘリウムのみやクリプトンのみを吸うのは危険なので、必ずパーティコーナーで売ってるような酸素を混ぜたものを吸うように。死んじゃいますよ。

それから、以前 簡単にできぬ化学マジック (1) で紹介した六フッ化硫黄も化学的に安定で、無毒、無臭、無色、不燃性の気体です。もちろん分子量は空気の平均分子量よりはるかに大きいです。・・・ということは、これを吸うと当然声が低くなるはず。百聞は一見に如かず。ヘリウムと六フッ化硫黄の吸い比べをしている動画を見つけたのでどうぞ。



気ままに有機化学 2007年12月11日 | Comment(0) | TrackBack(0) | コーヒーブレイク
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