霜が降りると野菜が甘くなる


冬もそろそろ終わりかなという季節になってきました。ところで霜が降りると野菜が甘くなるってご存知でしょうか?もちろんハクサイやホウレンソウのように冬野菜の話であって、寒さに弱い野菜はやられちゃいますけどね。

霜が降りると野菜が甘くなる鍵は凝固点効果にあります。凝固点降下=何か溶けているものがあるとその凝固点が下がるってやつ。つまり水は0℃で凍るけど、砂糖水や食塩水は0℃になっても凍らないってこと。これが植物におおいに関係があるんです。

冬になると関東地方でも氷点下まで気温が下がります。ところで、生物の体には水分が多く含まれています。ということは、0℃以下になれば凍るはずです。でも屋外の植物は凍ったりはしません。これは植物は冬になると細胞中の水分が凍らないように、糖類を増やすためです(デンプンを分解して多数のブドウ糖などにする)。この仕組みによって水の凝固点を下げ、0℃でも凍らないのです。

霜がおりると野菜が甘くなると言われますが、それはこういう仕組みによって糖分が増すためなのです。これはわざと寒くする比較実験によっても確かめられていることだそうです。

気ままに有機化学 2007年03月03日 | Comment(0) | TrackBack(0) | コーヒーブレイク
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