HOPE ミーティング をご存知ですか?正直のところ私は数か月前まで知りませんでした。知らなかったために貴重な機会を逸している方もいるかと思いますので、簡単にご紹介します。
HOPE ミーティングは、アジア・太平洋地域から選抜された優秀な大学院生とノーベル賞受賞者の学術交流ミーティングです。その内容は、ノーベル賞受賞者などの世界の知のフロンティアを開拓した人々との対話、寝食を共にしての参加者同士の交流、さらには人文社会・芸術分野の講演やコンサートといった幅広いものとなっています。いずれも通常の研究生活だけでは得られない、貴重な体験ではないでしょうか。
この HOPE ミーティングは昨年から始まったもので、今年は第 2 回に当たります。そして今回の対象分野は 「化学及び関連分野(物理学、生物学等)」 で、組織委員長は野依良治先生!実は今年の第 2 回 HOPE ミーティングは明日 9 月 27 日から 5 日間という日程なので、残念ながら募集は終了しています。興味をもたれた方は是非、第 3 回、第 4 回に注目してみてください。応募資格は大学院博士課程に在籍で英語での質の高いポスター発表及び討論が可能であること、所属長の推薦があることです (詳しくは こちら)。参加が認められると、宿泊費や交通費まで主催者側が負担してくれます。
ちなみに、若手研究者とノーベル賞受賞者の交流の場としては他に リンダウ・ノーベル賞受賞者会議 や アジアサイエンスキャンプ があります。HOPE ミーティングは日本で開催されるため参加しやすく (今回は箱根)、また募集人数 (100人程度。うち日本から30人程度) も一番少ないので濃密なコミュニケーションが期待できるのではないでしょうか。
長々と私の拙い言葉で紹介紹介してきましたが、公式動画が You Tube に掲載されていたので、実際の雰囲気をご覧ください。
最後に、博士課程の大学院生が対象なので私のような企業研究員は本来参加できないのですが、今回特別に取材の依頼をいただきました!次回 はそのあたりの話をします。
[参考] HOPE ミーティング公式ホームページ
[参考] 講演予定者は、キラル分子触媒による不斉反応を開発した 野依良治、化学反応の過程を動力学的に研究した 李遠哲、生体高分子の質量分析の端緒を開いた 田中耕一、トンネルダイオードを開発した 江崎玲於奈、クォークが 3 世代あれば CP 対称性の破れを理論的に説明できることを示した 小林誠、遺伝子数よりも多種類の抗体が産生されるメカニズムを解明した 利根川進、アクアポリンを発見した ピーター・アグレ、ノーベル博物館館長の スヴァンテ・リンドクヴィスト、建築家の 安藤忠雄、大原美術館館長の 高階秀爾。目も眩むような豪華メンバーです。野依良治先生は 「音楽でも美術でも、とにかく一流を知れ。」 と言われていますが、まさに各界の第一線で活躍する人物が集められています。
[関連] 『リンダウ・ノーベル賞受賞者会議』を知っていますか? (化学者のつぶやき)