先日紹介した 萌える元素周期 や 萌える元素周期っぽい動画 に代表されるように科学にも萌えが浸透してきましたね。ところで今日、大きい本屋をぶらぶらしていたら科学書コーナーにも関わらず平積みされている漫画がありました。ねこ耳少女の量子論〜萌える最新物理学〜 です (本日発売)。元素周期 萌えて覚える化学の基本 と同じ PHP 研究所の出版で、第一著者には物理本で有名な竹内薫が挙がっています。この本のすごいところは 206 ページほとんど漫画なところ。そして税込 500 円という価格です。ストーリーを引用すると、
失恋の痛手が癒えぬ少年、勇希(ゆうき)くんは、量子のことばかりを話す不思議な美少女、あいりちゃんと出会う。しかし、いきなり読者だけに知らされる衝撃的な事実……。なんと、彼女の耳は猫の耳だった! 何も知らない勇希は、ふつうの「量子論に詳しい女の子」として、あいりに夢中になっていく……。日を追うごとに思春期特有の妄想がエスカレートしていく勇希と、あいりの関係のゆくえは!? そして何より、あいりの正体はいったい!?
10 分ほどで立ち読みできてしまうくらい読みやすくわかりやすい本です。正直これだけで量子論を勉強はできないと思いますが、量子現象のイメージをつかむための副読本、量子論を少し知ってる上で楽しむエンターテイメント本としては良書だと思います。(ただし、内容も 10 分程度で読めるだけのコンテンツです。ボーアの量子条件やハイゼンベルクの不確定性原理、パウリの排他原理も出てこなかったような・・・。シュレディンガー方程式は出てきますが 「天気予報みたいなもの」 だそうです)。賛否がわかれそうな本ですが、個人的にはこういうの好きです。本屋で見かけたら是非立ち読みしてみてください。
そういえば数少ない化学漫画の1つ マンガ 化学式に強くなる も今思えば萌えっぽい話ですね (ユーモラスでちょっぴりセクシーな高校生の幸ちゃんが、友人の由子ちゃんのオタクなお兄さんに化学を教えてもらうという設定)。科学漫画は萌えに走る傾向があるのでしょうか?笑。
最後に、個人的にオススメな量子論関係の本を 3 冊ほど紹介。まずは なっとくする量子化学。量子化学の入門書の中で一番好きな本です。勉強になる上 以前 紹介した Chemical Joke もコラムで組み入れられていて楽しめる工夫もされています。そして有機化学者にオススメなのは フロンティア軌道法入門―有機化学への応用。1978 年から売れ続けている古典的良著。私も学生のときにこれを勉強しました (理解しているかは別の話ですが。笑)。あと絶版ですが 10歳からの量子論 には、どういった物理学的・社会的・人的背景から量子論が生まれてきたか、とても面白く活き活きと描かれています。著者の都筑卓司は物理学者ですが、文才にも秀でているように思います (彼の著書は何冊も読んでいますが、どれも面白い)。私も面白い化学の話を書けるように精進せねば。
化学とかけているのでしょうか?
それとも内容を読まれたのでしょうか?
ちなみに日本では一部のコンビニでも置いてありました。量子論なんて専門的な内容の科学本がコンビニに置かれるなんて前代未聞ではないでしょうか。笑
いつものキチガエルですね。笑
どこまで本気かわからないところが怖いですね。