ゼラチンと寒天の違い

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ゼラチンと寒天は食感は似たものがありますが、化学的には全くの別物です。
勿体ぶらずに結論から言えば、ゼラチンはタンパク質であり、寒天は多糖類です。

ゼラチンは動物性の コラーゲン を原料とするタンパク質の一種で、グリシン・プロリン・ヒドロキシプロリン・アラニンを多く含むポリペプチド鎖が3本より合わさった三重らせん構造が特徴です。一方、寒天 は藻類から採れるアガロースやアガロペクチンを主成分とする多糖類です(化学構造は こちら)。

ゼラチンはタンパク質なので、タンパク質分解酵素をもつパイナップルやキウイなどの果物を入れたゼリーは固まらなかったり固まっても果物の回りだけ溶けていたりします。寒天は多糖類なのでパイナップルを入れても固まります。ちなみにパイナップルを一度加熱してタンパク質分解酵素を失活させればゼラチンでも固まるようになります(一度お試しあれ!)。

また、ゼラチンはタンパク質なのでヒトの消化酵素によって分解されるため、少しカロリーがあります。寒天の多糖類は消化されない(つまり食物繊維)ため、カロリーはほとんどありません。「寒天ダイエット」の方が「ゼラチンダイエット」よりも有名なのは、意外と化学的根拠に基づいているのかもしれませんね。

以上、ゼラチンと寒天に関する化学トリビアでした。

なお、コラーゲンの化粧品・食材としての使用に関しては有機化学美術館の佐藤健太郎氏の新刊 化学物質はなぜ嫌われるのか 〜「化学物質」のニュースを読み解く に詳しく書かれています。化学的ウィットに富んだ良書ですので、まだ読んでない方は是非!

気ままに有機化学 2008年06月30日 | Comment(3) | TrackBack(0) | コーヒーブレイク
この記事へのコメント
お久しぶり!よっちゃんさんの同窓生です。
ここの存在を知って以来、ちょくちょく見に来てます。
トピックがおもしろいし、わかりやすく書かれてていいね。
しばらく有機化学から離れている僕でも、何とかついていけます。
これからもがんばって下さいな!

P.S.
気ままに有機化学に対抗して、ブログ始めてみました。
まあ、有機化学は全く関係ないけど。
Posted by UME at 2008年07月08日 00:21
>UME さん
おぉ、久しぶり!
こんなマニアックなブログを見に来てくれてありがとう!
「The・知財部員が往く!」のブログも見たよ!(何よりURLに笑ったよ。笑)

ちなみに、既読かもしれないけど、知財部のUMEさんにはこの記事がオススメ。
「レビトラとバイアグラで構造式の間違い探し」
http://chemistry4410.seesaa.net/article/75224056.html
Posted by よっちゃん(管理人) at 2008年07月08日 22:32
こんにちは

今度私は夏休みの自由研究でゼラチンと寒天の違いを調べようと思います。

だけどどんな実験をすればいいかがわかりません(>_<)

よかったら教えてください!
Posted by Kira at 2013年07月29日 17:04
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