ChemDraw の Align 機能: 分子の部分構造で揃える方法

ChemDraw で複数の構造式を整列させるときには Align 機能が便利です。例えば、上央揃えにするには、「Object → Align → Top edges を選択」 あるいは 「Alt+Shift+Ctrl+T を入力 (ショートカットキー)」 でできます。実際に、例えば、下図の3つのピペラジン化合物を選択して上揃えをかけると、ピペラジン環が整列します。


さて、では下図の3つの化合物をピペラジン環の上下位置を揃えるように整列させたい場合にはどうすればよいでしょうか?3つの化合物すべてを選択して Align をかけると、分子全体で揃えるのでズレてしまいます。


実は、それぞれの分子の1点ずつを選択して Align をかけることが可能で、分子の部分構造で揃えるには便利です。例えば、下図のようにピペラジン環上の対応する炭素原子をそれぞれ選択して上下中央揃えをかけると、ピペラジン環で揃います (上揃えや下揃えでも OK。ちなみに、窒素原子やピペラジン環を選択すると、NH 部分は H が含まれる形で認識されるためうまく揃いませんのでご注意を)。


では下図でピペラジン環で揃えつつ矢印をピペラジン環中央に配置したい場合はどうでしょうか?


下図のように、それぞれの分子のピペラジン環中央の C-C 結合と矢印を選択して上下中央揃えをかけると、きれいになります (クリック数が増えるのであまりオススメはしませんが、ピペラジン環中央の C-C 結合の代わりに、ピペラジン環の2位と3位の炭素原子を両方選択しても OK)。


以上、それぞれの分子の原子1個ずつや結合1個ずつを選択して Align することで、分子の部分構造で揃えることができるという tips でした。普段は見た目で適当に揃えたりグリッドを表示させて (View → Show Crosshair) 手動で合わせてもいいと思いますが、揃えたい分子の数が多い場合や正確に揃えたい場合には役に立つと思います。

[関連] ChemDraw を使いこなすための参考資料 [日本語] (気ままに有機化学)

気ままに有機化学 2014年06月30日 | Comment(0) | サイト・ツール・本