

左:会場となった兵庫県立総合体育館。右:会場内の様子。
競技プログラムは以下の 2 日間ですが、競技が終わった後には交流プログラムが、競技の翌日にはエクスカーションが用意されているようです。今大会の出場校一覧 や 昨年の問題と解説 や 昨年の様子の動画 はリンク先の公式ホームページに掲載されています。
3 月 23 日 (土) 開会式、筆記競技、実技競技@、実技競技A
3 月 24 日 (日) 実技競技B、実技競技C、特別シンポジウム、表彰式
2 日間におよぶ競技の結果、岡崎高等学校 (愛知県) が優勝、灘高等学校 (兵庫県) が第 2 位、筑波大学附属駒場高等学校 (東京都) が第 3 位となりました。おめでとうございます!
さて、私は 3 月 24 日 (日) に科学の甲子園を一般観覧者として見に行ってきました。残念ながらブログのネタになるようなことはあまりなかったのですが、「メディアには書かれていない大会の様子」 や 「一般観覧者の私が感じた運営の改善の余地」 などを、見に行きたかった人や見に行こうと考えている人の参考のために書いてみます。
(1) ディスカッションやフィードバックを充実させて欲しい
例えば、実技競技Bでは、「加速度センサがついたデバイスを使って文字を入力する方法を考えてください。また、そのためのプログラムを作成してください。」という課題でした。プログラムを作成した後には実際に課題文を自分で入力してその速さを競い、その入力文字数が上位の高校はリアルタイムで順位が表示され、会場は大いに盛り上がっていました。リアルタイム表示でエラーがあったりしたのですが、個人的に気になったのはその後です。明らかに入力速度が速い高校がいくつかあったのですが、どういった工夫があったのか、どういった更なる改善の余地があるのか、競技後にディスカッションやフィードバックがないのです。順位を競って終わりよりも、競技者同士でのディスカッションや専門家によるフィードバックがあった方が、出場者にも観覧者にも面白いと思います。
(2) 特別シンポジウムの内容を事前に告知して欲しい
競技が終わった後に特別シンポジウムが予定されていたのですが、その内容がホームページにも書かれておらず、当日会場にも書かれておらず、運営スタッフの方 5 名に聞いてもわからなかったのです。一般観覧者の私は内容によっては帰宅しようと考えていたため、非常に残念でした。
ちなみに今回の内容はパネルディスカッションで、ゲストとして京都大学 iPS 細胞研究所の中川誠人先生、京都大学人類進化論研究室の山極寿一先生、国立情報学研究所の新井紀子先生、埼玉大学教育学部の小倉康先生の 4 名が招かれていました。内容は、「なぜ科学者になったのか?」「一流の科学者であるための秘訣は?」「科学者を育てるには?」「出場高校生からの Q&A」「若者へのメッセージ」 など。「一流の科学者であるための秘訣は?」 に対しては 「常識に挑戦するような問いを立てること」「たくさんの人にとって魅力的な問いを立てること」「妥協のないハードワーク」 との答えをされていました。なお、特別シンポジウムの様子は NHK 教育テレビの 「TV シンポジウム」 で放送予定とのことです。
(3) その他
観覧者は 100〜200 人くらいで、その多くは出場者の関係者だと思われました。観覧席から見えるディスプレイが用意されており、またイヤホンで実況中継が聞けるように配慮されていました。競技中や特別シンポジウム中の撮影は禁止されていました。
周辺に食事を買う場所はなく、体育館の食堂も営業しておらず、その代わりに 30 食限定で 650 円の弁当 (一種) の販売をしていました (このあたりもホームページで事前アナウンスして欲しい)。もし来年以降も同じ場所で同じ運営体制の場合、一般観観覧者は昼食を持って行った方が無難かも。
競技の後にはブース展示会があり、協賛企業や数学オリンピック財団、情報オリンピック日本委員会、物理オリンピック日本委員会、化学グランプリ・オリンピック日本委員会、国際生物学オリンピック日本委員会、国際地学オリンピック日本委員会、地理オリンピック日本委員会 (ん?科学の甲子園で地理?) のブースがありました。オリンピック系のブースでは案内チラシや過去問などが配られ、さらに化学ブースでは気前よく 完全攻略 化学オリンピック、高校で教わりたかった化学、きっと好きになる 化学のクイズ37 の 3 冊が無料で配布されていました。
以上、あまり面白いことは書けませんでしたが、科学の甲子園を見に行きたかった人や見に行こうと考えている人の参考になれば幸いです。