Reagent Table Calculator で手軽に試薬量計算!

先日 化学者のつぶやき さんで紹介されていた Reagent Table Widget を使うと簡単に試薬の物性 (式量・密度・沸点など) を調べることができます。しかしながら、実際に実験する際には、それらの値を使って、「モル数 × 等量 × 式量 (× 密度)」 という計算をして初めて試薬の量がわかります。

今回、物性検索+試薬量計算をまとめてやってくれるウィジェットが公開されました。それが Reagent Table Calculator。例えば 10 mmol スケールで 1 eq の imidazole を使いたいときは下のように記入して submit を押すと、試薬量 (g, mL) などを計算してくれます! ポップアップ画面をスクロールすると物性値 (式量・密度・沸点など) も出ています。これは便利!


ちなみに、前回のウィジェットと同様に、自分のサイトに貼りつけることもできます。ウィジェット右下にある+ボタンから "Embed this widget" をクリック、立ち上がったページ右側 "Embed Widget" の ボタンを押して表示されるコードをコピー&ペースト、です。

[参考] A Companion Reagent Table Widget (Chemistry Blog)

気ままに有機化学 2011年05月25日 | Comment(0) | TrackBack(0) | サイト・ツール・本

2011年4月発刊の有機化学関連書籍

不活性結合・不活性分子の活性化―革新的な分子変換反応の開拓 (CSJカレントレビュー) 有機金属化学の最前線―多様な元素を使いこなす (現代化学増刊 44) 分子論からみる有機化学 (KS化学専門書) えれめんトランプ

◆ 和書 (有機化学)
不活性結合・不活性分子の活性化―革新的な分子変換反応の開拓
  (化学者のつぶやきさんに 3990 → 3200 円の割引情報あり。ただし日本化学会員のみ)
有機金属化学の最前線―多様な元素を使いこなす
分子論からみる有機化学
化合物命名法―IUPAC勧告に準拠
ベーシック有機構造解析
これならわかる液体クロマトグラフィー―その仕組みと使い方
現代化学 2011年 05月号 [雑誌]
化学 2011年 05月号 [雑誌] (一部は 化学同人 HP で無料で読めます)
化学のブレークスルー機器分析編―

◆ 和書 (その他)
最新版 大学院留学のすべて〜入学後絶対後悔しないための10のステップ
2012アメリカ留学公式ガイドブック
化学のチカラ―名古屋大学化学系研究室の今がわかる本
えれめんトランプ
元素ネタ 笑って楽しく覚える周期表
化学熱力学への誘い生命科学・化学を学ぶ人たちへ
光合成の光化学
有機薄膜太陽電池の科学

◆ 洋書
Organic Radical Reactions in Water and Alternative Media
Chirality from Dynamic Kinetic Resolution
The Chemistry of the Morita-Baylis-Hillman Reaction
The Chemistry of Hydroxylamines, Oximes and Hydroxamic Acids
Olefin Upgrading Catalysis by Nitrogen-based Metal Complexes
Advanced Fluorescence Reporters in Chemistry and Biology III: Applications in Sensing and Imaging
Micro Reaction Technology in Organic Synthesis
Green Chemistry: Greener Alternatives to Synthetic Organic Transformations
Hybrid Nanomaterials: Synthesis, Characterization, and Applications
Green Polymerization Methods: Renewable Starting Materials, Catalysis and Waste Reduction

気ままに有機化学 2011年05月14日 | Comment(0) | TrackBack(0) | 月別有機化学関連書籍

第 241 回 ACS の講演をオンラインで公開中


昨年の のアメリカ化学会 (ACS National Meeting) の講演の一部がオンラインで無料視聴できることを紹介してきました。そしてゴールデンウィークが明けてついに今年 2011 年の春の第 241 回 ACS の講演の一部が こちら で公開されました。

例えば、有機化学関連では以下のような演題が視聴できます。
Akira Suzuki: Cross-coupling reactions of organoboron compounds
Erick Carreira: Discovery and surprises with natural products
Olivier Baudoin: Palladium-catalyzed intra- and intermolecular arylation of unactivated C(sp3)-H bonds

また、創薬化学関連では以下のような演題が視聴できます。
James Wells: Drugging the undruggable
David Newman: Natural products as sources of and leads to drugs
Alan Main: Discovery and development of LX1031, a novel serotonin synthesis inhibitor for the treatment of irritable bowel syndrome

上で紹介した以外の演題もいくつも公開されていますので、是非一度 ACS のサイト で自分の興味にあった講演がないか探してみてください。

気ままに有機化学 2011年05月12日 | Comment(0) | TrackBack(0) | サイト・ツール・本

有機化学の高額商品を安く買う方法

有機化学関連の商品の中には高価なものもあります。特に ChemDraw などの専門ソフトウェア、分子模型、専門書などは高額ですので、できるだけ安く買いたいものです。今回、私の大学院時代の先輩に教えてもらった安く買う方法を紹介しましょう。それは、ドルやユーロで買う というものです。

例えば、ChemDraw Ultra 12.0 の価格を SciStore.com で比較すると下図のようになります。(価格は通常料金。アカデミックプライスはそれぞれ約 2/5 の価格設定です)


円に換算すると、2,330 ドル =191,060 円 (現在 1 ドル約 82 円)、1,650 ユーロ = 198,000 円 (現在 1 ユーロ約 120 円)。ドルやユーロで買えば日本円の 2/3 の価格で購入することができます。なお、発売当時 (2009 年 9 月) の為替相場でもドルやユーロで買う方が安いので、元々円の価格設定が高めのように感じます (さらに円高の影響でドルやユーロで買うと安くなっています。ちなみに同じ価格になる為替は 130 円/ドル、184 円/ユーロ)。他にも、例えば The Merck Index 14th Edition Std も米ドルで買えば 490 ドル (約 40,200 円)、日本円で買うと 63,900 円。ずいぶん安くなりますね。

さて、これまで海外の製品をドルやユーロで買うと安くなるという話を紹介してきましたが、日本製品ではどうでしょうか?例えば、日ノ本合成樹脂製作所が製作、丸善が販売している HGS 分子模型 (pdf) は大型講義用が 70,000 円、有機化学基本セットが 23,000 円です。一方、同じ丸善の海外向け直販サイトでは 大型講義用 が 500 ドル (約 41,000 円)、基本セット が 187 ドル (約 15,300 円) で購入できます。(日本向けと海外向けで商品の名前は変わっていますが、写真・内容は同じものです)

今回の情報を提供してくださった先輩は、実際に海外向け直販サイトから注文してみたそうです。商品は 大型講義用 500 ドル × 1 と 学生用 C セット 25 ドル × 2。送料は別で 7.43 ドルで合計 557.43 ドル。ちなみに、大型講義用は日本では上で述べた 70,000 円、学生用 C セットは 日本 では通常 4,000 円、大学生協でも 3,900 円だったとのこと。全部で 3 万円以上も節約できたそうです。

学生用 C セットは大学の実習や授業で使うようなものですので、もし私が大学の教員だったら 25 ドル (約 2,050 円) で大量購入して 3,900 円で学生に販売してひと儲け・・・なんてことをすると手が後ろに回っちゃいますかね、笑。・・・というのは冗談ですが、ひと儲けできそうなくらい価格差が付いてしまっている、というのが実情ではないでしょうか。

以上、ドル・ユーロで買うことで実質 1/2〜2/3 の価格で買えることもあるよという話でした。今後、有機化学の高額商品を購入する際には、ドル・ユーロで買うことも検討してみてはいかがでしょうか?ただし、送料・説明書・サポート等には違いがあるかもしれませんので、注意してくださいね。

[余談] 私の先輩が分子模型を注文したとき、英語の直販サイトで英語で日本の住所を打ち込んで注文したら、数日のうちに日本語の住所・カタカナの名前で送られてきてビックリしたそうです。段ボールも送り先票も日本語。説明書だけは英語。発送元は日ノ本合成樹脂製作所、なので英語の説明書を付けて日本から発送しているようです。

気ままに有機化学 2011年05月04日 | Comment(0) | TrackBack(0) | コーヒーブレイク