2011年3月発刊の有機化学関連書籍

ラブ・ケミストリー ヘゲダス遷移金属による有機合成 Higher Oxidation State Organopalladium and Platinum Chemistry (Topics in Organometallic Chemistry) Complex Macromolecular Architectures: Synthesis, Characterization, and Self-Assembly

今月の注目の新刊は何と言っても ラブ・ケミストリー (2011 年 『このミステリーがすごい!』 大賞の優秀賞作品)。「これは本当に一般書か?」 と思うほど有機化学の専門用語やリアルな研究風景がごろごろ出てくるのですが、個人的にはとっても楽しめました。例えば 「僕たちは心が繊細なんだよ。その脆さたるや、TLC 用のキャピラリーとどっこいどっこいだ。すぐにポキリと折れてしまう」 なんて一節があって、個人的には "両方とも" 共感できるのですが、一般の方にはどのように見えるのでしょうか?何はともあれ、有機化学関係者にはたまらない一冊だと思います。

和書
ラブ・ケミストリー
ヘゲダス遷移金属による有機合成
化学英語文献への誘い―英語演習を通して化学を学ぶ
合成有機化学―反応機構によるアプローチ
広がるNMRの世界-40人の研究者からの熱いメッセージ-
最新グリーンケミストリー
基礎ケミカルバイオロジー
ベーシックマスター高分子化学
クロロフィル −構造・反応・機能−
元素検定
元素図鑑 宇宙は92この元素でできている―周期表ポスターつき!
化学 2011年 04月号 [雑誌] (一部は 化学同人 HP で無料で読めます)
現代化学 2011年 04月号 [雑誌]

洋書 (反応・合成)
Strategy and Design in Organic Synthesis: The Chiron Approach
Higher Oxidation State Organopalladium and Platinum Chemistry
Thematic Collections of Organic Syntheses, Palladium, Nickel, and Iron-Catalyzed Reactions
Biotransformations in Organic Chemistry: A Textbook
Strategic Applications of Named Reactions in Organic Synthesis, Second Edition
Olefin Upgrading Catalysis by Nitrogen-based Metal Complexes II: State of the Art and Perspectives
Approaches to the Synthesis of Cyclophostin and Phosphonate Analog

洋書 (その他)
Conformational Concept For Synthetic Chemist's Use: Principles and in Lab Exploitation
Hydrogen Storage Materials: The Characterisation of Their Storage Properties
Handbook of Photovoltaic Science and Engineering
Chirality and Life: A Short Introduction to the Early Phases of Chemical Evolution
Micro Reaction Technology in Organic Synthesis
Small-Scale Synthesis of Laboratory Reagents with Reaction Modeling
Complex Macromolecular Architectures: Synthesis, Characterization, and Self-Assembly
Green Polymer Chemistry: Biocatalysis and Biomaterials
Carboranes, Second Edition
Carbon Nanomaterials
The Mathematics and Topology of Fullerenes
European Women in Chemistry


気ままに有機化学 2011年03月31日 | Comment(0) | TrackBack(0) | 月別有機化学関連書籍

reaxys の反応マッピングでひと手間減らす方法

今回は reaxys の反応マッピングでひと手間減らす方法を紹介したいと思います (描画ソフトは標準の MarvinSketch)。反応マッピングとは反応検索で反応前後の原子の対応付けを行う操作のことです。つまり 「基質のこの原子が生成物のこの原子だよ」 というのを指定してやるわけです。これをしないと結果にノイズが多くなってしまいます。

通常の反応マッピング方法は Elsevier の サポートページ検索で有用なテクニック集 (MarvinSketch版) にも書かれていますが、下図のように reaction arrow ボタンで基質と生成物の間に矢印を書いて、その後 atom map ボタンから manual atom map を選択して基質の原子と生成物の原子をマウスドラッグで結ぶのが正攻法です。


しかし、実は reaction arrow ボタンを選択したまま atom map もできるのです。


reaction arrow ボタンのまま、基質の原子と生成物の原子をマウスドラッグで結ぶだけで下図のように atom map することができました。つまり、基質と生成物を reaction arrow でつないで、そのまま atom map すればいいのです。これによって 「atom map ボタンから manual atom map を選択する」 というひと手間を減らすことができます。普段よく反応検索する人にとっては、塵も積もれば山となる的に、結構な手間と時間の節約になるのではないでしょうか。


ちなみに、atom map ボタンから manual atom map を選択すると、下図のように reaction arrow と同じアイコンになりますので、実は本質的に同じなのではないかと個人的には思っています。


もし他に reaxys や SciFinder などでコツや小技などをご存知でしたら是非コメントください。

気ままに有機化学 2011年03月26日 | Comment(0) | TrackBack(0) | コーヒーブレイク

生成物推定クイズの解答

問題はこちら。

[問題] 生成物推定クイズ (気ままに有機化学)

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気ままに有機化学 2011年03月08日 | Comment(0) | TrackBack(0) | クイズ