HOPEミーティングに取材に行きます

HOPEミーティング

前回 概要をお伝えした HOPE ミーティング、嬉しいことに取材のご依頼をいただき、実際に取材に行くことが決定しました!新聞やテレビ等のマスコミに混じって取材してきます。マスコミとは違った研究者の眼で見てどのような様子なのか、お伝えできればと思っています。

・取材日程
 明日 27 日と明後日 28 日に取材に行きます。私は企業の研究員なので、全日程 (10月1日まで) は取材できません (28日は有休を取りました)。29 日以降の分は後に関係者のみがアクセスできる動画が見れるかもしれませんので、見れた場合にはその様子もお伝えしたいと思います。

・取材内容
 27 日の HOPE ミーティング Jr. (@国立科学博物館) は小中学生 20 人を対象としたものです。ノーベル賞受賞者から小中学生へのメッセージ、昼食会や質疑応答などが行われ、また簡単な化学実験も行われます。28 日の HOPE ミーティング (@箱根) はノーベル賞受賞者の講演に加えて参加者のグループディスカッションやポスター発表が行われる予定です。
 このブログの読者の方で 「これを見てきて!(聞いてきて!)」 というような取材してきて欲しいポイントがあれば、コメント欄でお知らせください。Ability 的に、また Possibility 的にできるかどうかはわかりませんが努力させていただきます。

・取材費用
 参加する大学院生の交通費や宿泊費は主催側の負担ですが、取材者の費用は自腹です。交通費や宿泊費を払ってでも私は見に行きたいと思ったので、迷うことなく取材したい旨を伝えました。また、取材費や報酬等をもらっていないからこそ、媚びを売ることなく中立的な立場で HOPE ミーティングの様子をお伝えできるかと思います。

最後に、もしこのブログの読者の方で HOPE ミーティングに参加される方がいらっしゃったら、ポスター発表のときなどに是非お話させていただければと思います。ちなみに取材班の中で一番かっこいいのが私です。(←嘘です。専門的な話をしてきたらたぶんそれが私です。)

気ままに有機化学 2009年09月26日 | Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース

HOPEミーティングをご存知ですか?

HOPEミーティング

HOPE ミーティング をご存知ですか?正直のところ私は数か月前まで知りませんでした。知らなかったために貴重な機会を逸している方もいるかと思いますので、簡単にご紹介します。

HOPE ミーティングは、アジア・太平洋地域から選抜された優秀な大学院生とノーベル賞受賞者の学術交流ミーティングです。その内容は、ノーベル賞受賞者などの世界の知のフロンティアを開拓した人々との対話、寝食を共にしての参加者同士の交流、さらには人文社会・芸術分野の講演やコンサートといった幅広いものとなっています。いずれも通常の研究生活だけでは得られない、貴重な体験ではないでしょうか。

この HOPE ミーティングは昨年から始まったもので、今年は第 2 回に当たります。そして今回の対象分野は 「化学及び関連分野(物理学、生物学等)」 で、組織委員長は野依良治先生!実は今年の第 2 回 HOPE ミーティングは明日 9 月 27 日から 5 日間という日程なので、残念ながら募集は終了しています。興味をもたれた方は是非、第 3 回、第 4 回に注目してみてください。応募資格は大学院博士課程に在籍で英語での質の高いポスター発表及び討論が可能であること、所属長の推薦があることです (詳しくは こちら)。参加が認められると、宿泊費や交通費まで主催者側が負担してくれます。

ちなみに、若手研究者とノーベル賞受賞者の交流の場としては他に リンダウ・ノーベル賞受賞者会議アジアサイエンスキャンプ があります。HOPE ミーティングは日本で開催されるため参加しやすく (今回は箱根)、また募集人数 (100人程度。うち日本から30人程度) も一番少ないので濃密なコミュニケーションが期待できるのではないでしょうか。

長々と私の拙い言葉で紹介紹介してきましたが、公式動画が You Tube に掲載されていたので、実際の雰囲気をご覧ください。




最後に、博士課程の大学院生が対象なので私のような企業研究員は本来参加できないのですが、今回特別に取材の依頼をいただきました!次回 はそのあたりの話をします。

[参考] HOPE ミーティング公式ホームページ
[参考] 講演予定者は、キラル分子触媒による不斉反応を開発した 野依良治、化学反応の過程を動力学的に研究した 李遠哲、生体高分子の質量分析の端緒を開いた 田中耕一、トンネルダイオードを開発した 江崎玲於奈、クォークが 3 世代あれば CP 対称性の破れを理論的に説明できることを示した 小林誠、遺伝子数よりも多種類の抗体が産生されるメカニズムを解明した 利根川進、アクアポリンを発見した ピーター・アグレ、ノーベル博物館館長の スヴァンテ・リンドクヴィスト、建築家の 安藤忠雄、大原美術館館長の 高階秀爾。目も眩むような豪華メンバーです。野依良治先生は 「音楽でも美術でも、とにかく一流を知れ。」 と言われていますが、まさに各界の第一線で活躍する人物が集められています。
[関連] 『リンダウ・ノーベル賞受賞者会議』を知っていますか? (化学者のつぶやき)

気ままに有機化学 2009年09月26日 | Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース

顕微鏡で炭素原子の電子雲の形が見えた!?

つい先日、ベンゼン環が 5 つ繋がったペンタセンの分子構造が原子間力顕微鏡で見えたという論文が Science 誌に報告され、話題を呼びました。(この論文については化学者のつぶやきの 顕微鏡で有機分子の形が見えた! での紹介が秀逸ですのでそちらをご覧ください。)

人間の可視化能もついに分子レベルまで来たんだなぁ、などと感心していたところ、驚くべきことに 「炭素原子の電子雲が見えた」 という報告がなされようとしているとのことです。つまり 「分子レベル」 を超えて一気に 「原子レベル」 まで到達してしまったかもしれないのです。

Inside Science によると、電界放射型電子顕微鏡 (field-emission electron microscope, FEEM) の解像度と感度を極限まで高めることでついに炭素原子の電子雲を見ることができたというのです。(電界放射型電子顕微鏡の原理は、電界によって加速・制御した電子ビームを真空中で対象に照射し、対象物から放出される二次電子・反射電子・透過電子などを観測するというもので、古くは 1930 年代から使われ出した技術のようです。)

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炭素原子の s 軌道と p 軌道が見えた?

肝心の論文は Physical Review B 誌に accept されたばかりで未発表なので詳しいことはわかりませんが、「すごい」 という驚きと共に 「怪しい」 という懐疑心を駆り立てる内容です。実際、In the Pipeline のコメント欄では "フォトショップで書いたに違いない" や "s 軌道と p 軌道が重ならずに別々に見えているのはおかしいのでは?" などという意見も出ています。

しかしもし本当ならば、単原子の電子雲の形を直接観測した初めての実験であり、そのインパクトは計りしれません。有機化学の教科書のはじめに書かれている量子力学の難解な数式が、文字通り 「百聞は一見にしかず」 で確認されたかもしれないのです。

気ままに有機化学 2009年09月19日 | Comment(8) | TrackBack(0) | 論文 (その他)

最近気になった化学系サイト 2009/09/12

詰め込みきれず (どきどきジャイレース)
 以前紹介させていただいた有機化学マンガ 有機化学、たのしいよ の待望の続編。私はこの 「つみれちゃんシリーズ」 が大好きです。あぶらのグリセリンの炭素数がちょっと多い気もするけど、つみれちゃんの魅力の前には些細なこと。個人的にはこのまま連載&単行本化して欲しいくらい。

CAS Registers 50 Millionth Substance (CAS)
「CAS REGISTRY」に5,000万件目の物質を登録 (共同通信)
 CAS に 5000 万件目の化合物が登録されたよというお話。1000 万分の 1 と言えばジャンボ宝くじの 1 等 2 億円が当たる確率と同じなので、5000 万件目の化合物を作った人は何となくラッキーな気分なのではないでしょうか。よし、私は 6000 万件目を狙うぞ。笑。情報提供いただいたぱたーるさん、ありがとうございます!

素直さと明るさと情熱を 向山光昭 (サイエンスチャンネル)
水が変える有機化学 〜小林修〜 (サイエンスチャンネル)
〜野依良治教授のノーベル賞〜 (サイエンスチャンネル)
下町の 夢はぐくむ実験室〜理化学ガラス製造〜 (サイエンスチャンネル)
 サイエンスチャンネルより、有機化学関係の無料動画を集めてみました。番組は 1 つあたり 30 分あるので、時間が余ったときにどうぞ。ちなみに 4 つ目の 「理化学ガラス製造」 は桐山ロートを開発した桐山製作所の匠の話。

本全品配送料無料 (Amazon)
 2009 年 9 月 11 日から 2009 年 11 月 4 日まで、本全品の送料が無料になるそうです (通常は 1500 円以上の注文で送料無料)。Amazon では通常の書店では扱わないようなマニアックな本も扱っていたりするので、送料が気になっていた方にはいい機会では?



気ままに有機化学 2009年09月12日 | Comment(3) | TrackBack(0) | サイト・ツール・本

SlideShare で学ぶ、立体選択的な反応と合成

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「Powerpoint 版 Youtube」 と呼ばれるとおり、PowerPoint のスライドファイルを共有するサービス、SlideShare。そんな SlideShare の中から、化学者のつぶやき さんで美麗な化学プレゼンテーションを 4 つ紹介されていました。

ちょうど私も気になっていたスライドがあったので便乗してご紹介します。立体選択的な反応と合成に関するもので、全部で 10 のレクチャー。古くから知られるものからかなり最近の MacMillan の SOMO activation やタミフルの合成まで、様々なトピックが取り上げられていて勉強になります。スライドデザインも非常に綺麗でインパクトある仕上がりなので、プレゼン資料作成の参考にもなるかもしれません。(作者は、化学者のつぶやきさんが紹介しているスライドの 1 つめと 3 つめの作者の Gareth Rowlands 氏の作品)

Lecture1: 123.702 stereoselective and total synthesis
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気ままに有機化学 2009年09月07日 | Comment(0) | TrackBack(0) | サイト・ツール・本